■　コンクリート

＜良いコンクリート＞

大きく分けて�@耐久性　�A強度　�B経済性　の３つが優れていること。

まず、�@耐久性　を良くするには、（１）気象作用、（２）化学作用、（３）すりへり　に対する抵抗を高めることが重要。

具体的には、以下のようになる。

（１）気象作用　には、

　　・適正な空気量

　　・水セメント比が小さく単位水量の少ない配合

　　・密実で均等質なコンクリート

　　・適切な養生

　　・適正な骨材

　　・適正なセメント

　　　　　　　　　　　　を使用することにより、水密性を高める。

　　（２）化学作用には、

　　・水セメント比が小さく単位水量の少ない配合

　　・密実で均等質なコンクリート

　　・適切な養生

　　・不活性なセメント（セメントのアルカリと反応しないもの）

　　・適正な混和材（ポゾラン）

　　・エントレインドエアー

　　　　　　　　　　　　　を使用。

　　（３）すりへりには、

　・水セメント比が小さく単位水量の少ない配合

　　・高強度

　　・適切な養生

・密実で均等質なコンクリート

　　・特殊な表面仕上げ

　　　を使用。

�A強度　を高めるには、

　・良いペースト（水セメント比は小さく、適切な養生、適正なセメント）

　・良い骨材（安定な組織、適正・均等な粒度、良い形状）

　・密実なコンクリート（単位水量を少なく、プラスティックでワーカブルな配合、十分な練混ぜ、振動締固め、空気量を必要最小限に）

　　を使用。

�B経済性　を良くするには、

　・材料の効果的な使用（骨材の最大寸法を大きく、よい粒度、混和材の使用、損失を最小に、セメント量を最小に、スランプを最小に）

　・高能率の作業（信頼できる設備、人員・設備の効果的な配置、管理の自動化）

　・容易な取扱い（ワーカブルな配合、均等質なコンクリート、エントレインドエアー）

簡単に言うと、材料の選択、配合の決定、打込み・養生などの作業をきちんとやらないと良いコンクリートは作れないということ。

●セメント

（１）ポルトランドセメント

　・普通ポルトランドセメント

　・早強ポルトランドセメント（早期の強度発現大。発熱大のためマスコンクリート不適）

　・超早強ポルトランドセメント（早期の強度発現強大。発熱大のためマスコンクリート不適）

　・中庸熱ポルトランドセメント（水和熱低いので、ダムなどマッシブな構造物に使われる）

　　※低アルカリ形ポルトランドセメント・・・アリカリ骨材反応抑制のため、セメント中の全アルカリ量を０．６％以下にしたもの。

（２）混合セメント

　・高炉セメント（早期の強度発現緩慢。長期強度増進大。化学抵抗性大。水和熱低。）

　・シリカセメント（単位水量やや多め。早期の強度発現遅い。長期強度増進大。化学抵抗性大。水和熱低。）

・フライアッシュセメント（ワーカビリティー良好。長期強度増進大。化学抵抗性大。水和熱低。乾燥収縮小。ダムなどマッシブな構造物に使われる）

（３）その他のセメント

　・超速硬セメント

・膨張セメント

　　（使用目的）

　　　�@収縮補償・・・・・・・・・・・乾燥収縮によって生じる引張応力を、コンクリートの膨張が拘束されていく生じる圧縮応力により相殺させる。

　　　�Aケミカルプレストレス導入・・・コンクリートの膨張が拘束されていく生じる圧縮応力をコンクリート中に残存させる。

　・アルミナセメント（超早強性、低温時における強度発現良好。）

●混和材料

　　混和材・・・・配合計算に関係するもの

　　　　　　　　　（フライアッシュ、膨張材、高炉スラグ）

　　混和剤・・・・　　〃　で無視できるもの

　　　　　　　　　（ＡＥ剤、減水剤、高性能ＡＥ減水剤、流動化剤、促進剤・急結剤・遅延剤）

●骨材

１０�oふるいを全部通り５�oふるいを重量で８５％以上通るもの　→　細骨材

５�oふるいに重量で８５％以上とどまるもの　→　粗骨材

良い骨材とは・・・・・

→○硬くて強い。○ゴミ、ドロ、有機物を含まない。○密度が大きい。○単位容積質量が大きい。○すりへりにくい。○気象作用に影響を受けにくい。○吸水率が小さい。○粒子が丸い。○粒度分布が広い。○化学的に安定である。○塩化物イオンが少ない。

砕石は砂利よりも表面が粗であるため、砕石コンクリートは同一水セメント比の砂利コンクリートに比べて、一般に強度が大きい。

耐凍害性

・骨材の耐久性は既存の実例に基づいて判断する。過去の適当な実例がない場合は、促進耐久性試験（コンクリートの凍結融解試験　等）から判断。

　硫酸ナトリウムによる安定性試験における損失質量の上限（標準仕法書）

　　・細骨材≦１０％

・粗骨材≦１２％

ふるい分け試験で、重量で少なくとも９０％が通るふるいのうちの最小寸法の呼び寸法→粗骨材の最大寸法

吸水率

吸水率は、原則として、細骨材≦３．５％、粗骨材≦３％

密度

　細骨材及び粗骨材の絶乾密度は、原則として２．５ｇ／ｃｍ^３以上。

単位容積質量

　実績率（％）＝（１００＋Ｑ）Ｔ／ｄｓ

　Ｔ：単位容積質量（絶乾）　ｄｓ：骨材の表乾比重　Ｑ：骨材の吸水率

すりへり抵抗

　舗装≦３５％、ダム≦４０％

コンクリートの性質

・硬練りコンクリートのコンシステンシーはスランプ試験では適切な評価ができないので、振動台式コンシステンシー試験によるのがいい。

・ブリーディング　→　打込み後、セメント及び骨材粒子の沈下に伴い水が表面に浮び上がる現象。（通常２〜４時間で終わる）

・レイタンス　→　ブリーディングに伴いコンクリートモルタル又はペーストの表面に浮び出て沈殿したもので、セメント、骨材中の微粒子、セメント水和物等からなる微細な物質

引張強度

　圧縮強度の１／１０〜１／１３

曲げ強度

　圧縮強度の１／５〜１／８

ポアソン比：μ＝ε_ｔ／ε_ｅ＝０．２

ε_ｔ：横ひずみ、ε_ｅ：縦ひずみ

塩化物含有量

荷おろし地点で、塩化物イオン量として０．３ｋｇ／ｍ^３以下。

（ただし、購入者の承認を受けた場合０．６ｋｇ／ｍ^３以下）

アルカリ骨材反応
　　　セメント中のアルカリと骨材中の鉱物が反応するもの。
　　　生成物（アルカリシリカゲル（水ガラス））が水分を吸って膨張し、コンクリートにひび割れが生じる。
　　　　　日本の場合は、シリカ質鉱物による、アルカリシリカ反応がほとんどである。

　　　スランプ

　　　空気量

※注意！　スランプ、空気量試験でＯＵＴになっても新しく試料を採取して合格すればＯＫとする。（１回だけチャンスが与えられる）

　　　単位セメント量

配合設計

練混ぜ

可傾式ミキサ　　　　　　　　　　　　　　　強制練りミキサ

生コンクリート（＝レディーミクストコンクリート）

□購入者が生産者と協議の上、指定することができるもの

�@          セメントの種類

�A          骨材の種類

�B          粗骨材の最大寸法

�C          骨材のアルカリシリカ反応性による区分。区分Ｂの骨材を使用する場合は、アルカリ骨材反応性の抑制方法

�D          混和材料の種類

�E          塩化物含有量の上限値

�F          呼び強度を保証する材齢（指定がない場合は２８日とする）

�G          下表に定める空気量と異なる場合は、その値

�H          軽量コンクリートの場合は、コンクリートの単位容積重量

�I          コンクリートの最高、又は最低の温度

�J          水セメント比の上限値

�K          単位水量の上限

�L          単位セメント量の下限値、又は上限値

�M          流動化コンクリートの場合は流動化する前のレディーミクストコンクリートからのスランプの増大量（購入者が�Cでアルカリ総量による方法を指定する場合、購入者は、流動化剤によって混入されるアルカリ（ｋｇ／ｍ^３）を生産者に通知する）

�N          その他必要な事項

　生コンの運搬時間

運搬・打込み・締固め

【１】運搬

練り混ぜ〜打ち終わり

　　コンクリートポンプ

　　縦シュート下端とコンクリート打込み面との距離→１．５ｍ以下

【２】打込み

　�@コンクリートは、鉄筋の配置を乱したり型枠を損傷したりしないように打込まなければならない。

　�Aコンクリートは、できるだけ目的の位置に近い所に打ちおろす。（内部振動機を流動化させながら移動させるのはダメ）

　�B打込み中に著しい材料分離が認められたら、打込み中止。原因を調べる。粗骨材分離してモルタル分の少ない箇所が生じたら、分離した粗骨材をすくい上げてモルタルの十分あるコンクリートの中へ埋め込む。

　�C定められた作業区画内は打ち終わるまで連続して打つ（不要な打継目を作らないため）。ただし、版ｏｒ梁と壁ｏｒ柱との接合部においては、連続して打ってはいけない。（断面変化箇所で一旦打止め、沈下が落ち着いてから上層コンクリートを打つ）

　�D表面が１区画内でほぼ水平となるように打込み、一様に締固めるようにする。１層の打込み高さは、内部振動機を使う場合で４０〜５０ｃｍ以下とする。２層以上打つ場合は、下層のコンクリートが固まり始まる前に上層のコンクリートを打つ。（コールドジョイント防止）

　�E型枠の高さが大きい場合、適当な高さの所に投入口を設けて打込むか、縦シュートｏｒポンプ配管の吐出口を打込み面近くまで下げてコンクリートを打込む。この場合、吐出口と打込み面までの高さは１．５ｍ以下にする。

　�Fコンクリートの打込み中ｏｒ締固めた後にブリーディング水が表面に集まった場合には、そのたまった水を取り去ってから打つ。

　�Gコンクリートの打上り速度は、一般に３０分に付き１〜１．５ｍ程度とする。

　�H打込み時の温度、寒中コンクリート：５〜２０℃、暑中コンクリート：３５℃以下、マスコンクリート：できるだけ低く　する。

【３】締固め

　�@内部振動機使用を原則とする。（薄い場合は、型枠振動機使用可）

　�A打込み後速やかに十分締固め、コンクリートが鉄筋の周囲及び型枠のすみずみに行きわたるようにする。

　�B型枠の外側を軽打するのは有効。

　�C内部振動機はなるべく鉛直に、かつ一様な間隔（一般に５０ｃｍ以下）にこれを差し込んで締固める。（振動機は下層のコンクリート中に１０ｃｍ挿入。１ヶ所当りの振動時間５〜１５秒）

　�D振動機の引抜きは徐々に行い、あとに穴が残らないようにする。

　�Eコンクリートを一旦締固めた後、適切な時期に再振動を与えるのは有効。

【４】打継目

　�@継目位置及び構造は、みだりに変更してはいけない。

　�A打継目は、できるだけ剪断力の小さい位置に設け、原則として打継目は部材の圧縮力の方向と直角にする。

　　やむを得ず剪断力の大きい位置に打継目を設ける場合は、打継面に剪断キーとしてほぞ又は溝を作るか鉄筋を差込むかして打継目の部分を補強する。

●水平打継目の施工

　�@表面のレイタンスやモルタル層を除去してから打設する。

　�A既に打込まれたコンクリート面の処理

　　・硬化の初期に圧縮空気で高圧水を吹き付けて表面の薄層を除去して、粗骨材面を露出させる

　　・材齢１日程度の時期にワイヤブラシなどで表面を削り取る。

　　・既に打込まれたコンクリートが硬い時は、圧縮空気で湿砂（サンドグラスター）を吹付けた後に水で洗う。

　�Bのみなどで表面をはがし取る方法はダメ。

　�C既に打込まれたコンクリートの打継面の処理と清掃が終わったら散水して十分吸水させ、新コンクリートを打込む直前に余分の水を除去する。

　�D新コンクリートとの付着をよくするため、打継面にはセメントペーストを塗るかモルタルを敷くかして、直ちにコンクリートを打ち、既に打ち込まれたコンクリートを密着するように締固める。

　�Eコンクリートが比較的硬練りの場合や、粗骨材の最大寸法が大きい場合などは、セメントペーストを塗るよりもモルタルを敷く方法が有効（モルタルは水セメント比を当該コンクリートの水セメント比よりも小さくする。スランプ１５ｃｍ程度とする。モルタル敷厚１５�o程度）

●鉛直打継目の施工

　�@既に打込まれたコンクリート面の処理を十分に行い、新コンクリートとよく密着するようにする。

�A既に打込まれたコンクリート面の処理

　　・湿砂（サンドグラスター）を吹付ける方法が有効

　　・既に打込まれたコンクリートがあまり硬くなければ、ワイヤブラシを使用しても可

　　・のみやハンマーによるチッピングも可（チッピング後はワイヤブラシなどでゆるんだ片を除去する）

　�B新コンクリート打設後適当な時期の再振動締固めは有効（再振動時期は、コンクリートを再びプラスティックな状態に戻しうる範囲で、できるだけ遅い時期がいい）

●表面仕上げ

　�@区画内は連続して打ち込む。

　�A以下（略）

●養生

　＝コンクリートを打終わってからコンクリートが相当の強度を発揮するまで、衝撃や荷重を加えて有害な影響を与えることのないように保護し、又セメントの硬化作用を十分に発揮させるとともに、乾燥に伴う引張応力やひび割れの発生をできるだけ少なくするための作業

（目的）

　�@打込み後、硬化を始めるまで、直射日光や風などに対してコンクリートの露出面を保護する。

　�Aコンクリートが十分硬化するまで衝撃及び過分の荷重を加えないように保護する。

　�Bコンクリートが十分に硬化が進むまで、硬化に必要な温度を保つこと。

　�C硬化中十分湿潤な状態に保つこと。　

※�Cが一番重要

湿潤状態に保つ期間

・普通セメント：５日以上

・早強セメント：３日以上

・高炉（Ｂ種）＆フライアッシュセメント：７日以上　

　・日平均気温≦１０℃：９日以上

混合セメント使用の場合は、温度に対して敏感なので、特に低温の時は普通ポルトランドセメント使用時よりも養生期間を長くする。

養生期間

型枠・支保工

○型枠に及ぼすフレッシュコンクリートの側圧

　�@打ち上り速度が速いほど側圧がかかる。

　�Aコンクリート温度が低いほど側圧がかかる。

○型枠の清掃、検査及びコンクリートの打込みに便利なように、適当な位置に一時的に開口を設けておくのがいい。

○型枠を取りはずしてよい時期のコンクリートの圧縮強度の参考値

※比較的荷重を受けない部分は、所定の強度に達したらできるだけ早く型枠を取った方がよい。（クリープを利用してひび割れを防げるから）

●寒中・暑中コンクリート　等

・寒中コンクリート・・・・日平均気温≦４℃

・暑中コンクリート・・・・日平均気温≧２５℃

＜施工に当たっての注意点＞

（１）寒中コンクリート

　　・セメントは、ポルトランドセメントを用いるのを標準とする。

　　・凍結しているか又は氷雪の混入している骨材は、これを用いてはならない。

　　・材料を加熱する場合は、水（の方が容易）又は骨材を加熱することとし、セメントはどんな場合でも直接加熱してはいけない

　　・寒中コンクリートは、ＡＥコンクリートを用いることを原則とする。

　　・単位水量は、初期凍害を少なくするため、所要のワーカビリティーを保てる範囲内で、できるだけこれを小さくしなければならない。

　　・打込み時のコンクリート温度は、構造物の断面寸法、気象条件等を考慮して、５〜２０℃の範囲でこれを定めることとする。

　　・コンクリートの打込み時に、鉄筋、型枠等に氷雪が付着していてはならない。

　　・コンクリートは、打込み後の初期に凍結しないように十分保護し、特に風を防がなければならない。

　　・激しい気象作用を受けるコンクリートは、所要の強度が得られるまでは、コンクリートの温度を５℃以上に保ち、更に２日間は０℃以上に保たなければならない。

　　・型枠は保温性の良いものを用いるのを原則とする。

（２）暑中コンクリート

　　�@骨材は、適当な施設により日光の直射日光を避け、粗骨材は散水する。

　　�Aなるべく低い温度の練混ぜ水を用いる。

　　�B寒中コンクリートは、ＡＥコンクリートを用いることを原則とする。

　　�C配合は、所定の強度及びワーカビリティーが得られる範囲内で、単位水量及び単位セメント量を小さくしなければならない。

　　�D運搬中コンクリートが乾燥したり、熱せられたりしてはいけない。

　　�E打ち込む前に、地盤、型枠等のコンクリートから吸水するおそれのある部分を、散水や覆い等で湿潤状態に保たなければならない。

　　�F練混ぜてから打ち終わるまでの時間は、１．５時間を超えてはならない。

　　�G打込み時のコンクリートの温度は、３５℃以下でなければならない。

　　�H打込み後少なくとも２４時間は、露出面を乾燥させることがないようにこれを湿潤状態に保ち、少なくとも５日間以上養生することが望ましい。

（３）マスコンクリート

　　・低発熱形のセメント（中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント）を使用する。

　　・フライアッシュ、高炉スラグ微粉末等の良質な混和材を用いる。

　　・ＡＥ剤、減水剤、ＡＥ減水剤又は高性能ＡＥ減水剤等を適切に使用する。

　　・配合は、所要の品質を満足する範囲内で、できるだけ単位セメント量を少なくする配合を選定する。

　　・

（４）水中コンクリート

　　・静水中に打つ。流水の完全な締切りができない場合でも、流速≦３ｍ／分

　　・打込みを途中で中断しない。

　　・１本のトレミーで打込める面積は、３０�u程度が限界

　　・打込み中は、トレミーの下端を打込み済みのコンクリート面より３０〜４０ｃｍ下方に保ったまま軽く上下するとコンクリートが円滑に流下し、良好な結果が得られる。

　　・配合は、一般の水中コンクリートの場合、水セメント比≦５０％、単位セメント量≧３７０ｋｇ／ｍ^３、スランプ：１３〜１８ｃｍ、細骨材率：若干大きく、粗骨材に砂利を使用する場合：４０〜４５％程度

鉄筋の曲げ形状が特に設計図に示されていない場合、

　　　※スターラップの場合、６φ以上＆６ｃｍ以上

（１）加工

　・帯鉄筋に異形鉄筋を用いる場合は、原則として半円形フック又は鋭角フックを設ける。

　・折り曲げ鉄筋の曲げ半径は、５φ以上

　・コンクリート部材の側面から２φ＋２０ｍｍ以内の距離にある鉄筋を折り曲げ鉄筋として用いる場合には、その曲げ鉄筋として用いる場合には、その曲げ内半径を７．５φ以上とする。

　・ラーメン構造の隅角部の外側に沿う鉄筋の曲げ内半径は、１０φ以上

　・ハンチ、ラーメンの隅角部等の内側に沿う鉄筋は、スラブ又は梁の引張りを受ける鉄筋を曲げたものとせず、ハンチの内側に沿って別の直線の鉄筋を用いるものとする。

　・できるだけ加熱加工は避ける。

（２）組立て

　・鉄筋の交点の要所は直径０．８ｍｍ以上の焼きなまし鉄線又は適当なクリップで緊結する。

　・スペーサーの数は、梁・床版等で４個／�u程度、ウェブ・壁・柱で２〜４個／�u程度

　・最小かぶりＣmin＝α×Ｃ0　（ただし、Ｃmin≧φ）

　　　α：コンクリートの設計基準強度ｆ‘ｃｋに応じ

　　　　　　　　ｆ‘ｃｋ≦１８　→　α＝１．２

　　　　　１８＜ｆ‘ｃｋ＜３４　→　α＝１．０

　　　　　３４≦ｆ‘ｃｋ　　　　→　α＝０．８

　　　Ｃ0：基本のかぶり

　　　　　　　　※工場製品の場合、２０％まで減じてよい。

・フーチング及び構造物の重要な部材で、コンクリートが地中に直接打込まれる場合のかぶりは７５ｍｍ以上とする。

　・水中で施工する鉄筋コンクリートのかぶりは、１００ｍｍ以上とする。

　・特に耐火を必要とする構造物のかぶりは、一般の環境の値に２０ｍｍを加えた値を標準とする。

　・梁における軸方向鉄筋の水平のあきは２０ｍｍ以上、粗骨材の最大寸法×４／３以上、φ以上とする。

　　２段以上に軸方向鉄筋を配置する場合には、一般にその鉛直あきは、２０ｍｍ以上、φ以上とする。

　・柱における軸方向鉄筋のあきは、４０ｍｍ以上、粗骨材の最大寸法×４／３以上、１．５φ以上とする。

（３）継手

　・継手位置は、できるだけ応力の大きい断面を避け、継手は同一断面に集めてはならない。

　・継手を同一断面に集めないため、継手位置を軸方向に相互にずらす距離は、継手の長さ＋２５φｏｒ継手の長さ＋断面高さ　のうち大きい方を加えた長さ以上とする。

　・重ね継手の規定

�@          配置する鉄筋量が計算上必要な鉄筋量の２倍以上、かつ同一断面での継手の割合が１／２以下の場合、重ね合せの長さ≧ｌ_ｄ（基本定着長）

�A          �@の条件のうち一方が満足しない場合、重ね合せの長さ≧１．３ｌ_ｄとし、継手部を横方向鉄筋で補強しなければならない。

　　�B　�@の条件のうち両方が満足しない場合、重ね合せの長さ≧１．７ｌ_ｄとし、継手部を横方向鉄筋で補強しなければならない。

　　�C　低サイクル疲労を受ける場合、重ね合せの長さ≧１．７ｌ_ｄとし、フックを設け、継手部をらせん鉄筋、連結用補強金具等によって補強しなければならない。

　　�D　水中コンクリート構造物の場合、原則として４０φ以上

　　�E　重ね合せの長さ≧２０φ

　　�F　重ね継手部の帯鉄筋、中間帯鉄筋及びフープ鉄筋の間隔≦１００ｍｍ

　・スターラップの重ね継手の位置は、圧縮域又はその近くに設け、重合せ長さ≧２ｌ_ｄｏｒ重合せ長さ≧ｌ_ｄ＋端部に直角フック又は鋭角フック

　・鉄線を巻く長さは、できるだけ短いのがいい。

（４）定着

　・普通丸鋼の場合、端部に必ず半円形フックをつけて定着する。

　・スラブｏｒ梁の正鉄筋の少なくとも１／３は、これを曲げ上げずに支点を超えて定着する。

　・スラブｏｒ梁の負鉄筋の少なくとも１／３は、反曲点を超えて延長し、圧縮側で定着するか、あるいは次の負鉄筋と連続させなければならい。

　・折曲げ鉄筋は、その延長を正鉄筋又は負鉄筋として用いるか、又は折曲げ鉄筋端部を梁の上面又は下面に所要のかぶりを残してできるだけ接近させ、梁の上面又は下面に平行に折曲げて水平に延ばし、圧縮側のコンクリートに定着する。

　・スターラップは、正鉄筋又は負鉄筋を取り囲み、その端を圧縮部のコンクリートに定着させなければらなない。圧縮鉄筋がある場合には、スターラップは引張鉄筋及び圧縮鉄筋を取り囲まなければならない。

　・帯鉄筋及びフープ鉄筋の端部には、軸方向鉄筋を取り囲んだ半円形フック又は鋭角フックを設けて定着する。

　・らせん鉄筋は、１巻半余分に巻き付けてらせん鉄筋に取り囲まれたコンクリート中に、これを定着するものとする。

　・――――――（略）――――――

（５）基本定着長の計算

　　　　　　σ_ｓａ

　　ｌ_ｄ＝　―――――×φ

　　　　　　４τ_0a

σ_ｓａ：鉄筋の引張応力度

τ_0a：コンクリートの許容付着応力度

φ：鉄筋の直径

＜基礎工＞

■概論

「基礎」は大きく「浅い基礎」と「深い基礎」に分かれるが、（もちろん大半は「浅い基礎」に分類される）「浅い基礎」は“直接基礎”（＝フーチング基礎ともいう）となるに決まっているが、「深い基礎」は“杭基礎”や“ケーソン基礎”や“特殊基礎（鋼管矢板基礎など）”又はそれらを組合せた“混用基礎”などいろいろな選択肢がある。

　一般的には良好な支持地盤が５ｍ程度の比較的浅い基礎にある時は“直接基礎”を採用し、それ以外の場合に“杭基礎”か“ケーソン基礎”を採用する場合が多い。ただし、工期工費の面から見ると、一般に“杭基礎”が有利な場合が多いので、結果的には“ケーソン基礎”はあまり使われないこととなるが、玉石や転石が多くて杭が打ち込めないとか支持層が深くて途中の中間層を打ち抜けない場合などは“ケーソン基礎”を採用することとなる。

　杭基礎は更に既製杭基礎（木杭、オールケーシング、リバース、アースドリル）に分かれ、ケーソン基礎は更にオープンケーソン、ニューマチックケーソン、設置ケーソンに分かれる。

浅い基礎

　　　既製杭基礎（木杭、オールケーシング、リバース、アースドリル）

　　　　　　　　　　杭基礎　　　　　　　　　　　人力、機械掘削（深礎）

　　　　　　　　　　　　　　　場所打ち杭基礎

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　機械掘削（オールケーシング、リバース、アースドリル）

ケーソン基礎　　　オープンケーソン

深い基礎　　　　　　　　　　　　　ニューマチックケーソン

設置ケーソン

　　　　　　　　　　特殊基礎

　　　　　　　　　　混用基礎

■地盤調査

　　何か構造物をつくろうとして基礎をどうしようかと考える時、まず地盤調査が重要なカギとなる。しかし、マニュアル通りに調査をやれば時間も費用もかかるし、かといってあまり省略しすぎると今度は設計できなくなってしまう。

　したがって、最低限どんな調査をすべきかを判断することがとても重要である。

　一般的には、次のような順番で行う。

資料調査

　　　　　　　　　　　　―――――　調査箇所付近の地形図・地盤図などを入手し、工事施工例を集める。

概略調査

　　　　　　　　　　　　―――――　・ボーリング調査による土層の確認

　　　　　　　　　　　　　　　　　　・各種サウンディング

詳細調査

　　　　　　　　　　　　―――――　・サンプリングと土質試験

　　　　　　　　　　　　　　　　　　・原位置載荷試験

　　　　　　　　　　　　　　　　　　・透水試験

　　　　　　　　　　　　　　　　　　・物理試験

　　　　　　　　　　　　　　　　　　・物理検層

（土質柱状図から明らかになる主な事項）

○土質の構成状態

○地下水位

○深さ方向の土の強さの変化

○圧密のおそれのある軟弱層の存在（Ｎ＜４）

○軟弱層の圧密での排水条件（レキ層、砂層の存在）

○基礎の支持層となると思われる層の存在（砂質土でＮ≧３０、粘性土でＮ≧２０）

ポータブルコーンペネトロメーター

　貫入抵抗ｑ_ｃ＝１０Ｃ

２重管式コーンペネトロメーター

　マントルコーンをギア方式で貫入速度１ｃｍ／secで押し込み、その貫入抵抗ｑ_ＤＣを求める。

　（粘性土）ｑ_ＤＣ＝１４〜１７Ｃ

　（砂質土）ｑ_ＤＣ＝０．４Ｎ

スウェーデン式サウンディング

　スクリューポイントを重錘１００ｋｇまで各荷重段階ごとに貫入し、（Ｗｓｗ）貫入が止まるとハンドルで回転貫入する。このとき２５ｃｍを貫入するに要する半回転数を１ｍ当りに換算してＮｓｗを表す。

（粘性土）ｑ_ｕ＝０．００４５Ｗｓｗ＋０．００７５Ｎｓｗ

　　　　　Ｎ＝３＋０．０５０Ｎｓｗ

　（砂質土）Ｎ＝２＋０．０６７Ｎｓｗ

ボーリング孔内載荷試験

　鉛直方向に行うもの　→　実施例少ない。

水平方向に行うもの　→　普及